COVID-19(通称:新型コロナウィルス)感染が発生した音楽教室実例から得た貴重な教訓

弊社ご契約頂いているお教室の先生がCOVID-19感染してしまいました。
幸い無事に回復。レッスン活動を再開し、教室の活気も戻りました。
経験された先生よりご協力頂き、この実例から得た教訓を提言として情報公開いたします。
一言で申し上げると「感染しないための対策だけでなく、感染してしまった場合まで想定した対策も必要」です。
最悪な事態に備えておくことが大事ということですね。
これが教室運営の安定化に繋がります。

言葉の定義

本ブログ内で登場する言葉を定義いたします。

  • COVID-19
    通称:新型コロナウィルス
  • 新型コロナ感染
    新型コロナウィルスに感染した状態
  • 新型コロナ感染予防対策
    新型コロナ感染を未然防止のための対策
  • 新型コロナ感染対策
    新型コロナ感染してしまった際の対策

要約

  • 完璧な「新型コロナ感染予防対策」というものは存在しません。
    「新型コロナ感染」は、どんなに予防対策しても起きてしまうことがあります。
  • 「新型コロナ感染対策」を「新型コロナ感染予防対策」に盛り込みましょう。
    「新型コロナ感染」が発生した際を想定して「新型コロナ感染対策」を準備しておきましょう。
  • 「新型コロナ感染対策」への取り組みと生徒集客力は密接に関連している傾向があります。
    実例に基づいて解説いたします。

万が一を超えた新型コロナ感染リスク

2021年6月25日時点、日本国内における新型コロナ感染累計者数は79.3万人です。
国内人口は1億2536万人です。
国内人口を分母として割り算すると1万人当たり63.3人となり、感染リスクは「万が一」ではなく「万が63」といえることになります。

出典:Our World in Data
https://ourworldindata.org/grapher/covid-tests-cases-deaths?country=~JPN

出典:総務省統計局 人口推計 令和2年(2020年)12月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)5月概算値)(2021年5月20日公表)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

同様に、新型コロナ感染による病死者数は1.46万人で、1万人当たり1.16人となります。
つまり、新型コロナウィルスに「万が一」感染したら亡くなってしまうといえます。

ちなみに、2020年度における交通事故件数は、
負傷者数36.8万人
死者数:2,839人
です。

出典:株式会社インプレス Car Watch 2020年の交通事故死者数は2839人、統計開始以来最小を更新し初めて3000人を下まわる
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1298268.html

新型コロナ感染者数は累計で、交通事故件数は1年という期間のため、同列に扱うべきではありません。
しかしながら、これらの統計データより、新型コロナ感染が交通事故で負傷するよりも身近な脅威という感覚を抱いても差し支えないといえると思います。

日本国内における音楽教室講師の推定新型コロナ感染状況

厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、平成27度国勢調査結果から算出した日本国内の音楽教室講師数は70,330人。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/122

音楽教室講師人口はここ数年で大きく変化していないと仮定した上で、この統計データから新型コロナ感染の影響を推定すると、2021年6月25日時点の状況は、

  • 新型コロナ感染数累計:約445人(推定)
  • 新型コロナ感染による死亡者数累計:約8.9人(推定)

ということになります。

これらの情報を踏まえ、下記に現実的な具体策を提言いたします。

具体的対策

音楽教室の多くは「新型コロナ感染予防対策」に重点を置いて活動されていらっしゃると思います。
これに加えて「新型コロナ感染対策」を計画しておくことを提言いたします。
具体的には下記の通りです。

新型コロナ感染予防対策

  • ワクチン接種状況の周知
    指導者自身のワクチン接種状況を周知することは生徒の対面レッスンの安心材料に繋がります。
    ただし、指導者のプライバシーに関わる内容でもあるため、慎重に検討しましょう。
  • レッスン室ウィルス対策ファシリティ準備
    手洗い導線確保
    消毒用アルコール設置
    抗ウィルス対策機器設置
    その他
  • レッスン開始時
    生徒:レッスン簿記帳、マスク着用、手洗い、その他
    先生:レッスン簿記帳確認、マスク着用確認、その他
  • レッスン中
    マスク着用ルール徹底
  • レッスン後
    生徒:レッスン簿記帳、マスク着用、手洗い、その他
    先生:レッスン簿記帳確認、消毒作業、その他

上記に加えて後述する新型コロナ感染対策を周知しましょう。

新型コロナ感染対策

最悪な事態に備えて対策を講じておくことが大事です。
以下に例を挙げます。

  • 病床使用率の把握
    お教室の近隣地域の新型コロナウイルス感染対策病床使用率を把握し、感染発覚時に受け入れ先病床確保ができるか常に予測をしておきましょう。
    受け入れが厳しそうな状況であれば、解消するまでレッスン中止するなど方針を打ち立てる。

    参考URL:
    NHK 新型コロナウイルス感染症患者の療養状況 病床使用率
    https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/hospital/

    COVID-19 Japan 新型コロナウイルス対策ダッシュボード
    https://www.stopcovid19.jp/

  • 新型コロナ感染発覚時の対応計画を立案・周知しておく。
    新型コロナ感染発覚の際。どの機関へどのように報告するか計画を立案しておく。

    • 生徒・関係者への周知範囲、周知方法
    • 関係医療機関などへのレッスン記録提示方法
      指導者自身が新型コロナ感染した場合、接触履歴の提示要請を受けることがあります。
      しかし、新型コロナ感染中は体調の急激な変化が起きる恐れがあるため、いつても提示できるようにするためにレッスン簿に記帳・管理しておきましょう。
  • 生徒個人単位のレッスン中止ルールを明確にしておく
    例)

    • 生徒個人の体調不良
    • 生徒個人の37.0度以上の発熱
    • 生徒個人の家族や身近な方が新型コロナ感染発覚した
  • 教室全体のレッスン中断ルールを明確にしておく
    例)

    • 指導者自身の体調不良
    • 指導者自身の37.0度以上の発熱
    • 指導者自身の家族や身近な方が新型コロナ感染発覚した
    • 直近1週間以内にレッスンを行った生徒から新型コロナ感染の連絡を受けた
    • 新型コロナウイルス感染対策病床使用率が9割を超過した

「新型コロナ感染対策」の徹底は、お教室集客力と相関関係が高い

冒頭でお伝えしている通り、弊社のお客様で、新型コロナ感染してしまいました。
幸い、重症化せずに快復しました。
現在はレッスン活動を再開しております。

音楽教室のコロナ感染事例の情報が乏しい中、他のお教室のために対策に向け情報提供ができればと考え、匿名が条件にお教室主宰の先生に相談いたしました。
その結果、先生ご本人より「自身の苦い経験が、他のお教室に役立つならば是非どうぞ」と快諾頂きました。
この場を借りて心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

内容の有益性を考慮し、今回は弊社ご契約のお客様に限定せず、本ブログで一般公開することにいたしました。

新型コロナ感染事例のお教室概要

  • 生徒数30~40名程の個人教室
    グループレッスン、個人レッスンを行っております。
  • 教室拠点は郊外地域
    郊外地域は都心よりも新型コロナ感染発覚時の風評被害リスクが高い傾向があります。
  • 新型コロナ感染予防対策・新型コロナ感染対策共に徹底的に計画し実施しておりました

上記新型コロナ感染事例の経緯

新型コロナ感染発覚→隔離入院→回復→教室運営再開への経緯をご紹介いたします。

  • 先生ご自身が新型コロナ感染してしまった
  • 無理せず冷静に判断・行動した
    ご自身の体調がいつもよりも少し怠い感じがしたため、平熱ではあったものの念には念を入れてレッスンを中断したそうです。
    やがて熱が上がり、病院でPCR検査を受けた結果、コロナ感染陽性と診断結果を受けました。
  • 感染発覚後、感染経路を徹底調査しましたが、特定に至らなかった
  • 新型コロナ感染の事実を関係者全員に周知した
    新型コロナ感染対策に基づき、ご自身が体調を崩されている状況でもスムーズに関係者周知が出来たそうです。
    もし新型コロナ感染対策が不十分であったら困難だったとのことでした。
  • 幸いにも生徒への感染拡大はゼロ件で済んだ
    徹底的に新型コロナ感染予防対策を行っていた成果も相まって、大切な生徒さんへの感染拡大を防ぐことが出来たそうです。
  • 教室は閉鎖し、2週間程度の隔離入院を経て、快復し、晴れて退院できた
  • 教室再開に向けてレッスン室を徹底的に消毒を行い、教室運営再開に至った

教室再開後の影響

教室再開当初は新型コロナ感染を不安に感じた生徒(保護者)も多く、対面レッスンは敬遠されてしまい、退会されたりオンラインレッスンに切り替えてレッスン活動されたそうです。
やはりレッスン再開直後は新型コロナ感染の負の影響は大きかったとのことでした。
しかし、1~2か月後にはほとんどの生徒さんが戻って頂き、さらに新規生徒さんが多く加入し、いまでは教室閉鎖前より盛況となっております。

教室運営再開後、一部の生徒さんから「あれだけ新型コロナ感染予防対策を徹底していたのに感染してしまったならば致し方ないですよ。」と同情のお言葉を頂いたそうです。

この言葉が生徒さんが戻ってきた大きな理由に集約しているだろうとのことでした。

生徒さん(保護者)教室の普段の振る舞いから、安心して通えるかを感じ取っております。

新型コロナ感染予防対策・新型コロナ感染対策が不十分な教室は生徒の集まりが悪い

弊社の直接のお客さまではございませんが、他のお教室でも新型コロナ感染したお教室のお話を何件か耳にしております。
弊社において二次情報となるため、参考情報として紹介いたします。

新型コロナ感染リスクは万が一以上のため、日本国内各地の音楽教室で新型コロナ感染するケースは現実はございます。

そして対策への向き合い方が生徒集客を大きく左右しているという強い傾向が見えてきました。

新型コロナ感染時の対処として、関係者へ事実周知をせず隠蔽する教室が存在するそうです。
そのような教室は、新型コロナウィルス問題以前より、生徒の集まりが悪いという共通点があります。
新型コロナ感染予防対策・新型コロナ感染対策が不十分だったとのことでした。
それが教室離れに繋がっているともいえます。
正に悪循環です。

最後に

誰しも新型コロナ感染は望んでおりません。しかしどうしても感染してしまうことはございます。
大事なことは、いかに最悪な事態に備えておくかが教室運営の安定性に関わるといういうことです。

先が見えない状況ですが、万全を期して活動していきましょう。